株式会社アーチ在宅リハビリテーション研究所 評価制度をつくるための対話から生まれた「アーチウェイ」
このたび、株式会社アーチ在宅リハビリテーション研究所にて、全5回にわたるワークショップに携わりました。
※ホームページから画像引用
株式会社アーチ在宅リハビリテーション研究所は、大阪府豊中市を拠点に、訪問リハビリテーションや通所介護、居宅介護支援などを通じて、地域で暮らす方々の「その人らしい生活」を支える事業を展開されています。
医療と生活の間にある課題に向き合い、利用者様ご本人だけでなく、ご家族や地域とのつながりも含めた支援を大切にされている企業です。

今回の取り組みは、代表お二人の評価制度づくりをきっかけに、「アーチとしてどう在りたいか」「どのような仲間と働きたいか」という価値観を、社員の皆様と言葉にしていくプロセスでした。
評価制度は通常、経営者や人事部が中心となって設計されることが多いものです。
しかしその前に、お二人の代表は、「現場の声を聴くこと」を何よりも大切にされました。
日々の仕事の中で、何にやりがいを感じ、何に悩み、どのような葛藤があるのか。そして、その先にどんな在り方があるのか。
一人ひとりが尊重され、家族のような関係性の中で存在価値を発揮してほしい。
このような想いから、5回の対話の場がスタートしました。
初回では、代表のお二人から、創業の原点が共有されました。救急医療の現場で「退院後の人生に関わりきれない」という課題意識から、「生活に寄り添う支援」を実現したいという想いでアーチが生まれたこと。その原点に立ち返る時間となりました。
アーチのビジョンは「100年続く、地域に愛される企業」。
ミッションは「誰もが最後まで自分らしく生きられるまちをつくること」。
その背景には、退院後の生活が支えきれていない現実や、制度と暮らしの間にある「隙間」への問題意識と課題があります。

会社の成長に伴い、一人ひとりの働きや貢献を適切に評価する必要性が高まる一方で、人の命や暮らしを支える現場においては、数値だけでは測れない大切なものがあります。だからこそアーチでは、評価の前に「判断の軸」をつくることを選びました。
ワークショップは、「批判しない・役職を外す・未完成の言葉を歓迎する」というグランドルールのもと進行。
元々アーチよりこの度の評価制度構築に関するサポートおよび監修の依頼を受けた吉川慎太郎氏が全体の思考整理を担い、議論が本質から逸れないよう多角的な視点で実施。
その過程では、マーケティングおよびブランドマネジメントを専門とされる森一彦教授からの進行についての助言も受け、対話の質をより高めていきました。
グラフィックファシリテーターの寺本有里氏によるイラストは、場の緊張をやわらげ、対話のハードルを下げてくれる存在でした。言葉になりきらない想いや感覚も視覚的に表現されることで、参加者同士の理解が深まり、どんな意見も自然と出しやすい空気が生まれていきました。

私は、ファシリテーターに拝命し、進行以上に「聴くこと」に徹しました。
日々、仲間や地域、ご利用者様と向き合う中で、きれいごとだけでは語りきれない現実がある。その中で懸命に向き合っている皆さんの言葉を、できる限りそのまま受け止め、安心して本音を話していただける空気づくりと、傾聴の姿勢を大切にしました。
「応えは現場にある」。その言葉を胸に、時間をかけて対話を重ね、言葉を急がず、丁寧に育てていくプロセスを意識しました。
さらに印象的だったのは、どのような意見に対しても、代表お二人が否定することなく、温かく受け止め、見守り続けていらしたことです。その姿勢そのものが、「人を信じる組織」であることを体現されており、参加者の安心感と発言の深さにつながっていました。
なお、当日参加が難しい方にはZoomでご参加いただき、さらに全職員を対象としたアンケートも実施されました。そこでは、良い点だけでなく、課題や葛藤についても率直に言葉にしていただく機会となりました。
現場の仕事は、マニュアル通りにはいきません。その人の背景や想いに寄り添いながら、その場で最善を判断する力が求められます。だからこそ、「アーチならどうするか」と立ち返るための共通の軸が必要でした。
また議論の中や、アンケートからのお声には、現実的な課題にも向き合うことが多々ありました。
「売上よりも人生を優先したい」という想いと、組織として持続する責任。
その両立をどう実現するかも、大切なテーマとして共有されました。
こうした対話を重ねていく中で、現場から生まれた言葉が、少しずつ「判断できる言葉」へと変化していきます。

そして第4回を経て、最終回で完成したのが、行動指針の継承「アーチウェイ」八箇条です。
これは、代表の想いと現場の声、その両方が重なって生まれた、「今のアーチそのもの」を表す言葉です。
最終回では、この言葉を現場のエピソードと重ねながら、自分たちの実践として捉え直す時間となりました。「歩む道が明確になった」「新しい仲間にも大切な価値が伝わる」といった声に加え、「この言葉が自分の憧れになっている」という変化も生まれています。
高橋代表は「この会社は皆さんがつくっている」と語り、恵濃代表はこの指針を「マニュアルではなく、迷ったときの物差し」としてほしいと伝えられました。
そしてこれは完成ではなく、100年、200年と続く組織を目指すためのスタートであることを皆さんと再認識しました。

皆さんと共に創り上げた会社の在り方をもとに、これから代表お二人が評価制度を整え、さらにより良く、より働きやすい職場へと進んでいかれることと存じます。
そのほんのひと時ではございますが、この大切なプロセスをご一緒できましたことを、心より光栄に思っております。
ありがとうございました。
文責 桑原あずさ

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そこには、企画段階での想いを大切に、共創、協働を大切にします。
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