今秋限定!京都・洛西 「浄住寺」で味わうティーペアリング茶房のご紹介
今年は秋が短く感じるような気候ですが、関西の紅葉は今がベストシーズンとも思います。
京都市の洛西にある、“紅葉の隠れ寺”「浄住寺」で豊かな時間を過ごしませんか?
11月18日から12月3日までの秋の特別公開の期間、土日祝限定で通常非公開の「方丈」で素敵なお庭を観ながら、お茶とお菓子をいただけます。
禅宗文化をテーマとした今秋限定のティーペアリング茶房「紅葉茶房・HAMURO」を、今回、アカデミーシェアリングより取材させていただきました。
洛西 紅葉の隠れ寺
葉室山浄住寺
平安時代、西暦810年に天台宗寺院として開創され、律宗寺院として中興、そして現在まで続く禅宗・黄檗宗の寺院です。
本堂をはじめ、境内のいくつかの建物が京都市有形文化財として登録されています。
阪急京都線、桂駅から嵐山線に乗り換え一駅、上桂駅から歩いて15分ほど。
駅を降りてすぐから、「浄住寺」の案内がいくつか設置されています。
閑静な住宅街を抜け、少し山の中腹に上がったところに浄住寺があります。
歩きやすい靴でのお越しをお勧めします!
さすがは紅葉の隠れ寺といった佇まいです。
美しい紅葉のグラデーションに、思わずため息が出ました。
境内には竹林や南天、椿など美しいお庭が広がります。
苔むした石段も趣があります。
”隠れ寺”と言われるがゆえに踏み荒らされることなく、苔がきれいに広がっていると伺いました。
中国の禅寺の文化が色濃く残る本堂では、由緒や仏像について、また黄檗宗の読経の音色など、興味深いお話を伺うことができました。
ティーペアリング茶房
「紅葉茶房・HAMURO」
本堂の並び、方丈へ。
秋の限定公開の方丈では、京狩野派九代目・狩野永岳の「雲龍図」、豊臣秀吉が関白として領地の所有権を保証するために記した「安堵状」など、寺宝が公開されています。
貴重な機会ですのでぜひご覧いただきたいです。
そしてお庭を眺めながらいただけるのがこちら
禅宗における座禅流儀のひとつである「黙照禅(もくしょうぜん)」からインスピレーションを受けた、オリジナルモクテルの「黙照(モクテル)」と、鶴屋吉信の本店・直営店限定銘菓である半生菓子の「観世井(かんぜい)」とのティーペアリングです。
引用:PRTIMESプレスリリース
「 紅葉茶房・HAMURO 」メニュー
・黙照(モクテル)と観世井のティーペアリングセット 1,000円 (税込)
・特別茶3種と観世井のティーペアリングセット 1,500円(税込)
・特別茶1種と観世井のティーペアリングセット 1,000円(税込)
※特別茶(碁石茶、阿波晩茶、麹黒茶、わらかけ茶より1 種選択)
※モクテルとは果物やお茶などを原料としたノンアルコールカクテルです。
今回は特別茶3種と観世井のティーペアリングセットをいただきました。
丸くてコロンとした器に入った、緑色が美しい「知覧わらかけ茶」は、収穫前の茶葉にわらをかけて作られるとのこと。わらのあくが茶葉に染み込み、旨みが出るそうです。
スッキリとした味わいの後にふんわりと緑茶の苦味が広がります。
ティーカップでいただく、静岡「麹黒茶」は黒麹金で発酵させたお茶でまろやかさがあり、紅茶にも似た味わいです。
茶葉を乳酸醗酵させた徳島の「阿波番茶」は初めてのお味でした!独特の酸味がクセになります。お茶ではないような味わいでした。
ぜひ実際にご賞味いただきたいです。
特別茶について
ティーペアリング茶房でご提供されているお茶は、Garden Labの「O5」の日本各地の希少な茶葉を使用されています。
ここでしかいただけない種類もあるそうです。
Garden Labでは地域に根付いた茶農業のブランディング支援を行なっておられるとのことで、各地で受け継がれてきた製法ながら後継者がいないなど、生産者さんがもう数人しかいらっしゃらないという状況もお伺いしました。
茶房のGarden Lab阿部様にお茶の生産者様のお話などから、文化や生活の中で受け継がれてきたものを現代において持続可能にする取り組みを多方面で行っておられるとのお話も興味深く伺いました。
弊社が携わらせていただいている90歳ヒアリングとの親和性もお話しすることができました。
Garden Lab 「O5 京都 レアティーバー」
URL : https://www.gardenlabkyoto.com/
Instagram : https://www.instagram.com/gardenlab_kyoto/
鶴屋吉信「観世井」
そして一口いただくたびにお茶の味わいがまた際立つ鶴屋吉信の銘菓「観世井」。
本店・直営店でしか購入することの出来ない小豆の半生菓子です。
上品な甘みの小豆の表面を焼き上げてあり、水の波紋の紋様が型押しされています。
見た目よりもしっかりとしたお菓子で、「手で持っていただいてもいいですよ」と、ご一緒させていただいた、プライベートでお越しになっていた鶴屋吉信の稲田様から教えていただきました。
「観世井」の伝説のお話を伺うことができ、雲龍図を見ながら「龍の伝説」にゆかりのある銘菓をいただけたのも素敵な機会でございました。
京菓匠 鶴屋吉信
HP:https://www.tsuruyayoshinobu.jp/
ティーペアリング茶房のコンセプトについて
浄住寺では以前より「呈茶」の催しがあったとのこと。
俗世から少し離れた心持ちで、お茶を楽しませていただきました。
今回のティーペアリング茶房の開催は、呈茶を通じた文化財保護・修繕活動でもあります。
この度はコラボレーション企画者の株式会社TANK General Manager・Creative Evangelistの西井将哉氏に取材させていただきました。
西井氏は、株式会社TANKにてお勤めになる傍ら、「伝統文化をより身近に。」を人生のテーマとし、歴史的建造物や寺院での企画展開催や、海外ブランドのレセプション誘致など、伝統文化や職人技術を新たな価値観と繋げ企画を生み出す、次世代の“伝統演出家”として活動されています。
株式会社TANK HP :https://www.tankpr.jp/index.html
Instagram : https://www.instagram.com/msn_ni3/
方丈の空間プロデュースも手掛けられたとのことです。
京都にはたくさんの寺社仏閣があり、KYOTOはブランドとして世界各国から観光客が訪れます。
オーバーツーリズムなどの新しい課題もあり、有名な寺院は長蛇の列になるほどの人気を博します。
しかし、1000年を超える歴史を持つ寺社仏閣の中でも、お堂や文化財の保護に潤沢な資金がない場合もあり、宗教文化や建物、歴史的遺産を後世に伝えるための支援が必要とのこと。
「伝統文化をより身近にしたい」「良き文化や建築を守り続けたい」という浄住寺や西井氏の想いに、鶴屋吉信・Garden Labが賛同され、今回のコラボレーションが開催されています。
また今回のティーペアリングセットの売上の一部は、持続的な文化財保護・修繕活動を支援する為に浄住寺へ寄付されます。
ひなびた趣も素敵ですが、後世に残すためには定期的な修繕が必要ということも実感しました。
誰でも気軽にお茶を楽しめる呈茶スタイルで、お抹茶とはまた違う、味わいを楽しむことができました。
個人的に寺社仏閣巡りも大好きなのですが、宗派が違うと建物やお庭の様子も違います。そのお寺が持つ歴史や背景など、わずかばかりですが文化に触れる体験をすることができました。
来年年女の筆者、せっかくですので「雲龍」の御朱印と、かわいい「モリアオガエル」の御朱印をいただいてまいりました^^
期間限定の開催ですが、その期間にわざわざ足を運び、そこにしかない時間や空間、しつらえを味わうというのはマインドフルネスでもあると感じました。
皆様も体験してみてください!
「紅葉茶房・HAMURO」開催概要
・開催場所:葉室山 浄住寺 (京都市西京区山田開キ町9) 最寄駅 阪急嵐山線 上桂駅
・開催期間:2023年11月18日(土)~2023 年12 月3 日(日) ※期間内の土日祝のみ営業
・営業時間:10:00~16:30 (L.O16:00)
・拝観料別途(大人800 円 / 小学生 400 円)
(取材・ライター:田中佐江子)